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【Libraアイ 弁護士コラム】年次有給休暇に関する基礎知識

2024.05.23
更新:2024.07.23

リーブラでは、弁護士による各種講座や相談室では法律相談を実施しています。
Libraアイでは「弁護士コラム」として、弁護士の皆さん(持ち回り制です)がテーマを設定し、情報提供していただきます(不定期)。

今回のテーマは「年次有給休暇に関する基礎知識」です。
6月は祝祭日がない月、その後は夏休みとお休みをとりたい月が続きますね。年次有給休暇について確認しましょう。

年次有給休暇に関する基礎知識

<就業規則等の定めを確認>
年次有給休暇は法律に定められた休暇ですが、就業規則や労働契約によって、法律よりも労働者の保護に厚い内容とすることができます。たとえば、年次有給休暇を取得可能な労働者の範囲や、付与する休暇日数が、法律よりも広く定められている場合があります。
  年次有給休暇の取得に当たっては、一度、お勤めの会社の就業規則等の内容を確認してみることをお勧めします。
  以下では、法律の定めに即して解説いたします。

<年次有給休暇取得の権利が発生する労働者の範囲>
以下の条件を満たす場合、パートタイムやアルバイトの労働者であっても、年次有給休暇取得の権利は、法律上当然に発生します(労働基準法39条1項、最判昭和48年3月2日白石営林署事件)。
  雇入れの日(※1)から6か月継続して勤務(※2)したこと
 ② 雇入れの日以降の全労働日(※3)の8割以上勤務したこと

※1:労働契約成立日ではなく、就業開始日を指します。
※2:労働契約期間が短期間であっても、繰り返し契約更新され、実質的に6か月以上継続して同一の使用者の下で勤務していると評価できる場合には、要件を満たしていると判断される可能性があります(平成16年8月27日厚生労働省基発第0827001号)。詳しくは管轄の労働局や弁護士等の専門家にお問い合わせください。
※3:通常は就業規則等に定められた休日を除いた日(労働義務発生日)を指します。労働義務発生日に業務上傷病による休業、産前産後休業、育児・介護休業した場合は、休業した日を全労働日に参入した上で、休業した日に勤務していたものとみなします(労働基準法39条10項)。

<年次有給休暇の日数>
 取得することができる年次有給休暇の日数は、所定労働日数または所定労働時間によって異なります(労働基準法39条1項~3項、同法施行規則24条の3)。ご自身の労働契約の内容をご確認ください。
 なお、上記①②の要件を満たした労働者には、雇入れの日から6か月経過した日に、下記表の「勤続年数6か月」欄の日数分の年休取得権が発生します。その後、1年間を通じて全労働日の8割以上勤務すると、新たに下記表の「勤続年数1年6か月」欄の日数分の年休取得権が発生します。

  • 所定労働日数が1週間当たり5日以上の人、所定労働日数が1週間当たり4日以下だが所定労働時間が1週間当たり30時間以上の人、所定労働日数が1年間当たり217日以上の人
    継続勤務年数 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
    付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
  • 所定労働日数が1週間当たり4日以下で所定労働時間が1週間当たり30時間未満の人、所定労働日数が1年間当たり48日以上216日以下の人
     
    所定労働日

    年間
    所定労働日数

    勤続勤務年数
      6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上

    付与
    日数

    4日 216日~169日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
    3日 168日~121日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
    2日 120日~73日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
    1日 72日~48日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

<年次有給休暇取得権の行使>
 労働者は、付与された年次有給休暇の日数を上限に、原則として会社に請求することで、希望する日に年次有給休暇を取得することができます。このとき、労働者は年次有給休暇を取得したい理由を会社に申し出る必要はありません他方で、会社が労働者と協議の上で休暇取得日を決定すること自体は、直ちに違法とはならないと考えられています
 また、その労働者がその日に休暇をとることによって、会社の事業の正常な運営が妨げられる場合(※4)には、会社は労働者からの年次有給休暇の請求を拒否したり、別の時季に取得するよう指示したりすることができます(労働基準法39条5項但書)。

※4:単に繁忙であることでは足りず、その労働者の業務内容・性質や代替者の配置可能性、会社の事業規模、同時期に年休取得を請求した労働者の人数などを総合考慮するものとされています(名古屋高判平成元年5月30日名古屋鉄道郵便局事件)。

 なお、一度取得した年次有給休暇日に会社が労働を命じ、これに応じて労働した場合、別日に改めて年次有給休暇を取得できる可能性があります。

<年次有給休暇の取得に困ったら>
 年次有給休暇の取得を一方的に断られた、取得希望日を変更するよう命令された、休暇は取得できたが結局休暇日に出勤を命じられたなどのトラブルが生じた場合、会社の対応が違法である可能性があります。年次有給休暇取得権は発生から2年で時効消滅してしまいます。
 会社との交渉方針等については、早めに専門家にご相談ください。

弁護士(東京弁護士会所属) 藤本 知英美

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